人びとの図書館 人们的图书馆

2020-03-27 0

人びとの図書館 人们的图书馆

 日本語の「おおやけ」と、英語の「パブリック」。同じ言葉なのに、どこか語感が違うと思っていた。語源を調べて納得した。おおやけはもともと「おほ(大)やけ(宅)」。大きな建物の意味から朝廷などを指すようになった。要するに「お上」である

日语的“おおやけ”和英语的“public”,二个意思相同,但我却觉得在语感上有些不同,后来查了词源才明白。“おおやけ”原本写成“大宅”,意思是大型建筑物,也指朝廷等,总而言之就是“官府”。

パブリックの方はラテン語の「人びと」から派生したという。そう思うと「公共」という言葉も生き生きしてくる気がする。東京で公開が始まったドキュメンタリー映画「ニューヨーク公共図書館」を見た

 “public”,是由拉丁语里的“人们”衍生来的。那样一想公共一词有种活力的气息。我在东京观看一部刚上映的纪录片《纽约公共图书馆》

荘厳な造りの本館と、数多くの分館。そこでの活動は図書館の枠を大きく超え、人びとのなかに入ろうとしている。座談会が頻繁に開かれ、科学者や詩人らが語りかける。子ども向けの数学教室や大人向けの就職フェアも

这图书馆由庄重的主馆和多数的分馆构成,内部的活动超出图书馆的范畴,方便更好地走进人们之中。座谈会频繁在这召开,科学家、诗人等都有;也有面向儿童的数学教室和面向大人的就职会。

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家にインターネット環境がない人に、接続機器の貸し出しまでしている。「人びとをデジタルの闇から救う」との声が館員の口から出る。活動を支える資金の半分は民間からの寄付である。公立ではなく公共図書館なのだ

如果家里没有上网环境,这里也能借给你上网设备,一位馆员说这就是“将人们从数字黑暗中救出”。图书馆的活动支柱资金一半由民间捐赠,所有这里是一座“公共”图书馆,不是“公立”。

図書館は民主主義の柱だ――。映画の中でそんな言葉もあった。貧富や肌の色に関わらず、すべての人が「知」に触れられることが民主主義の基盤であると。反知性主義や分断が広がるとされる米国だが、全く違う顔がある

“图书馆是民主主义的支柱”,这电影中有这么一句话。意思是所有的人,不论贫富、肤色,都能接触到“知识”,这是民主主义的基础。美国虽然反智主义和社会分裂蔓延,但也有着另一面。

私たちが図書館に持つ印象は受験勉強か、無料貸本屋か。いやいやどうして、日本でも活動の幅を広げるところが増えている。ニューヨークと言わずとも、いつもと違う図書館へと足を延ばすのも悪くない。

我们对图书馆的印象,那是备考场所,或者是免费借书店。不对,因为日本也有越来越多的图书馆在扩大活动范围。不说去纽约,去平时没去过的稍远的图书馆也很不错。


( 天声人语原文 2019年5月)


日文读音中文
おおやけ(大宅家)おおやけ公共
納得なっとく同意,认可
荘厳そうごん庄严的
寄付きふ捐赠
頻繁ひんぱん频繁的
座談会ざだんかい座谈会
関わらずかかわらず不关,与~无关
広がるひろがる蔓延,扩展
延ばすのばす延长